前回、IKEA(イケア)のシェルフユニット「IVAR(イーヴァル)」を買ってきたところまでをお話しましたが、今回はその組立についてのお話です。
イーヴァルはおそらくホワイトパインで出来ており、そのため非常に軽くて、運ぶのは女性でも容易だと思います。ただし、ホワイトパインは軟らかい素材ですので、ちょっと当てたくらいでも簡単に凹みますのでご注意を。
また、イーヴァルは無塗装なので簡単に汚れが付きますから、その点も注意が必要です。
さて、組み立てに際しては、背面のクロスブレースをネジ留するためのプラスドライバー1本あればOKと言いたいところですが、マイナスドライバーとペンチ(ラジオペンチ)が必要です。
その理由はこれ↓
マイナスドライバーとペンチが必要
サイドユニット(側板、帆立)に転倒防止具がタッカー(ホチキス)で留められているのですが、これが非常にしっかり取り付けられていて、マイナスドライバーでタッカーをめくり上げて、ペンチまたはラジオペンチで引き抜かないと取れないんです。
また前述の通りホワイトパインは軟らかくてキズがつきやすいんですが、分かっていてもキズつけないことには取れません。
購入前、棚板を受けるダボ(金属製のピン)がどこに付いているのか、はたまた別売なのかと思っていたのですが、棚ダボは棚板の側面に穴を開けてそこに収まっていました。↓
棚ダボは側板側面に入っている
※2011年6月に仕様の変更を確認しています(現在の端部は樹脂製)
※2019年から再び端部が金属製に変更されています
穴から棚ダボが抜けないようにここにもタッカーが留められてあり、これを外すのにもペンチ(またはラジオペンチ)が必要です。
これらのタッカーを外す作業に20分以上掛かりました。
また、結構木くずが付いていて、棚ダボを抜いた穴からも木くずが出るので、これを濡れぞうきんで拭いたりする手間も必要になります。
さて、いよいよ組み立てに入るのですが、組み立ては非常に簡単です。
まず、両側のサイドユニットを立て、好きな位置に棚ダボを差し込んでいきます。
あとはそこに棚板を載せていくだけ
・・・・なんですが、ここでちょっと疑問。
最終的には背面にクロスブレースをネジ留めして全体を補強するのですが、クロスブレースなしだとどうなるか?
こうなります↓
クロスブレースなしでは自立しない
いや~、まったく思った通りでしたけど・・・・
国内メーカーではまったくあり得ない構造ですね~~(苦笑)
苦笑いを通り過ぎて呆れかえりましたけど、まあ最初から分かっていた話なので、サッサとクロスブレースの取り付けに掛かります。
クロスブレースは任意の位置にネジで留めるだけですが、どこにも下穴などはないので、DIY初心者には多少難しいかもしれません。
クロスブレース取り付けの手順が悩ましい
今回はこの基本構造に、サイドユニット1枚と棚板5枚を連結させるんですが、この時点で少々悩みました。
というのは、前述の通り”IVAR(イーヴァル)”が奇妙な構造であることは当初から分かっていたことなので、連結の際は展示品や写真などを見ても基本部分しかクロスブレースが取り付けられていなかったのですが、連結部にもクロスブレースを取り付けるつもりでいたんです。
(クロスブレースなしでは自立しないので入念に補強したかった)
けれどもというか、だからというか、本体はサイドブレースで固定されているだけで棚板は棚ダボに載っているだけだから、本体を持って移動しようにも持つところがないんですね。
(2人以上で組み立てればさほど問題ないのですが・・・)
仕方なく、背面を壁側に向け、そこで連結させてクロスブレースを固定してから、全体を壁側に寄せるという作戦にしました。
ですので狭いところでのクロスブレースのネジ留めはちょっとやりにくかったです。
そんなこんなで、無事に完成
パーツを運び入れてから、約40分ほどで完成しました。
(タッカー外すのに大半の時間を費やしましたが・・・)
作り終えてみての感想ですが、DIY初心者の方ですと、背面のクロスブレースの取り付けがちょっと難しいかもしれませんが、それ以外に関してはこれ以上ないくらいに容易といって問題ないでしょう。
(個人的にはサイドユニットに取り付けられた転倒防止具を取り外すのが一番厄介でした。)
また、使ってみての感想ですが、棚板の高さを調整するのが非常に楽です。
普通、書棚でも棚ダボがガッチリとはまっていて棚位置を調整するのが面倒なんですが、これは棚ダボが簡単に取り外せ、また取り付けられるので、最上級に棚板の高さ調整が楽です。
(反面、棚ダボを紛失するリスクは高いと言えますが・・・)
あと、個人的に今回チャレンジしてみたかったのは、上記完成図のように高脚式にして問題ないかということの確認。
収納マンはこういうシステムオープンラックを組み立てるときはスチールワイヤーシェルフでも何でも、基本的に高脚式にするんですよ。
その理由は、このほうが掃除がしやすいし、キャスター式のボックスなどを収めることが出来るから。
今回実際に高脚式にイーヴァルを組み立ててみて、高脚式にしても大きな問題はないということが分かりました。
(通常、スチールワイヤーシェルフなどは高脚式にしようと思うと、コの字バーやサイドバーを使わないとグラつきが出る)
転倒防止策について
今回組み立てたイーヴァルは奥行30cmタイプなのですが、奥行きが浅くて高さがあるため、地震の際の転倒が心配でした。
付属の転倒防止具を使えれば良いのですが、これは壁の芯の入っているところにネジ留めする必要があり、賃貸住宅では使用できないため、突っ張り式の転倒防止具 を使おうかとも思ったのですが、今回はこれも実験で、耐震ジェルマット を使ってみることにしました。
サイドユニットの底面(計6ヶ所)すべてに耐震ジェルマットを入れてみましたが、まあないよりはマシかという程度で・・・・少なくともお客様にはオススメできないなと思いました。
(ただし実際に使用したのは100円均一のもので、リンク先の商品とは性能がまったく異なる可能性があります)
そんなわけで、いずれにしても万全とはいえないシロモノではありますが、賃貸で地震の際の転倒が心配な方は突っ張り式の転倒防止具をご使用いただくことを強くオススメします。
あと最後に、タッカーを外すのにも苦労しましたが、サイドユニットや棚板に付いている説明書きのシール・・・・これを剥がすのはかなり難しいと思います。
一応、シール剥がしを使ってみましたが、無塗装のイーヴァルでは木地が痛みかねません。
そんなわけで、私はシールを剥がすことは断念しました。
2010/12/26追記
IKEA側の棚板の説明に「最大荷重50kg」と表示してありましたが、確かにそれくらいでもギリギリ大丈夫かなぁと感じましたが、これは日本国内のメーカーの基準とはまったく異なると思います。
例えば、材質や構造、サイズなどが比較的よく似ているアイリスオーヤマのウッディラック の場合は、「棚板1枚あたり約20㎏、全体約100kg」と表示されています。
個人的にはウッディラックよりもイーヴァルのほうが頑丈だとは思えませんし、日本のメーカーがPL法を考慮してイーヴァルと同じ構造の商品を販売するとしたら、同様に「棚板1枚あたり約20㎏、全体約100kg」と表示するか、もしくはそれ以下の数字を示すと思います。
※ちなみにイーヴァルには棚全体の耐荷重については表示がありません。
あと、非常に心許無い構造のイーヴァルではありますが、私が組み立てた感じですと、意外と横揺れ、歪みはありません。
その点に関してはまったく心配ないと思います。
IVAR(イーヴァル) 商品データ
品名 | 数量 | 単価 | 小計 |
---|---|---|---|
サイドユニット30×179cm | 3 | 2,000 | 6,000 |
棚板83×30cm | 10 | 599 | 5,990 |
クロスブレース100cm | 2 | 490 | 980 |
合計 | 12,970 |
※棚板83×30cmの通常単価は1,000円。
寸法図
赤字=外寸
青字=内寸 (すべて単位=mm)
左側ユニット単体の外寸=幅895×奥行300×高さ1785mm
2台連結の場合の幅=1745mm
棚板内寸(サイドユニットの枠の間)=幅805×奥行235mm
コメント
ありがとうございます。たいへん参考になりました。
特にダボがないと思い込み、買いに行こうと思っていた矢先でした。
まさか板の裏に埋まっているとは思わず、笑いました。
チゲ子さま
私も売場でタナダボを探したクチです(苦笑)
ちょっと分かりにくすぎますよね、説明書にも何も書いてないし。
ちなみに現在は樹脂製の棚受け部品にハメ込んであるだけなので、
取り外しやすくなりましたね。