私は今までニトリのことを「お、ねだん相当」と言ってきましたが、そろそろその認識は改めなければならないかもしれません。
ニトリのタンスも10年くらい前は絶対に買う気になれなかったのが、ここ数年は「お、ねだん相当」か、「それ以上」になったように、学習机もそうなってきたように感じます。
ニトリは増税分実質値下げ
ホント、ニトリの底力はスゴいです。メーカー各社が値上げに踏み切る中、たとえば売れ筋であろう「くみあわせですくデラックス ロータイプ」は、税別でお値段据え置きどころか、消費増税分3%も吸収しての実質値下げ。それでも特に仕様を落とした印象はありません。
しかも、この商品に限らず、ほとんどが同じ調子で実質値下げ。ニトリには、コイズミ、イトーキ、くろがねの商品もありますが、ニトリの価格戦略についてこれない商品は外して、空いたところは似たような自社オリジナル商品で埋めるという感じです。これにはもう、各社ともタジタジでしょうね。
正直言って、それでも私はニトリの家具を買いたいとは思いません。家具が安いわけではなく、安い家具を置いているだけだからです。これはつまり、価格帯が低いということ。ファミレスで言えばガストみたいな感じと言えば伝わるでしょうか。
しかしながら、ニトリの家具の品質は道具として必要にして十分です。まさに家具業界のユニクロ!多くの消費者を魅了するのも納得できる話です。
ラインナップ変更の必要なし
お値段だけでなく、商品ラインナップも興味深いところです。2015年度のニトリの学習机のラインアップは、実は前年度と大きくは変わりません。それは裏を返せば戦略が当たっているということであり、商品ラインナップを大きくいじる必要がないということです。そして、メーカー各社の売れ筋モデルをよく研究し、足りない部分は自社商品を開発して上手に補っていってます。
ただし、やっぱりニトリにとって一番大事なのは価格。コストが掛かりすぎるようなデザインには手を出しません。そのためどれを見ても同じように見えるのです。
ニトリはブレない!ここが一番スゴイですね!どこぞの大手流通系とは全然違います。あとはユニクロのようにブランド化できれば最強でしょう。
インフレをきっかけに今までの価格戦略を見直して、プレミアム感のある商品も扱えるようになればなおさらスゴイと思います。ひょっとすると、数年後にはそれをやってのけるかもしれませんね。ですがまあ、今のところはデザインという概念がほぼゼロという状態なので、ほかの業界関係者にとってはそれだけが救いかもしれません。
ちなみに、ニトリはまだ学習机の展示がすべて完了していません。例年通りだと、全部揃うのは年末か年明け以降でしょうか。
同日追記:
投稿した直後に内容を改めてチェックして、「あれ?ニトリにコイズミの学習机なんてあったっけ!?」と、慌ててここ数年のカタログをチェックしました。どうも、何年かぶりに取扱いを再開したようです(昨年度はチェアとデスクマットのみコイズミ製品を扱っていました)。
コイズミファニテックの「OD」から始まる品番は、カタログには掲載されていない、大手GMや一部の家具販売店などに並ぶ普及版商品ですね。また、天板昇降デスクのほうは昨年度で販売を終了した「リデア・ユニット」同等品と思われます。
いずれも2015年度新採用のランドセルハンガーは付いておらず、昨年度以前の仕様であると思われます。つまり、コイズミとしては売り上げは立てたいけれども、他店との競合は避けたいという思惑が強く、ニトリとしてはやはり大手のコイズミを扱うことで、お店の信用を確保したいというところでしょう。
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