学習机の引出はフルスライドレールのほうが良い?

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この記事は2013年11月26日時点の情報に基づいています(2024年1月24日一部更新)

コイズミは2013年度から、くろがねは2014年度から、学習机の引出をすべてフルスライドレールとしています(一部機種のぞく)。

ご存知の方が多いとは思いますが、フルスライドレールというのは、引出しの奥のほうが天板や上の段の引出しに隠れてしまうことなく、奥まで見やすくモノを取り出しやすいようにできたレールですね。

一方で、イトーキ

本体引出しや袖ワゴンの最下段の引出はフルスライド仕様としているものの、袖ワゴンの1段目や2段目はフルスライドレールではなく、いわゆるシングルレールを使用しています。

コストを下げるため、でしょうか?

「何が言いたいの?収納マン。」

はい(笑)

袖ワゴンの引出の奥行を調べてきました。

 

コイズミvsイトーキ 引出しの奥行比較

さすがにすべての機種を調べることはできませんでしたが、全段フルスライドレールを採用しているコイズミの、PREO(プレオ)、LakeWood(レイクウッド)、Orlea(オルレア)、DecoPri(デコプリ)の袖ワゴンの引出の奥行はいずれもだいたい375mm程度。

一方でイトーキの、tref(トレフ)、Leamo(リーモ)、Camomille(カモミール)、Jewelcute(ジュエルキュート)は同じく奥行がいずれもだいたい430mm程度なのです。
これはA3用紙がスッポリ収まる寸法でもあります。

フルスライドは実は奥行が短い

フルスライドレールというのは、いわば手品のようなものなのです。
引出しを奥まで見渡せるように引き出すとなると、どうしても重心が手前に寄ってしまいます。
もしイトーキの引出しの奥行でフルスライドレールにしてしまうと、袖ワゴンの引出しをすべて引き出した場合に、手前に倒れてしまう危険性があるのです。

そうならないようにするにはどうすれば良いかというと、引出しの奥行を短くしてしまえば良いわけですね。
だからコイズミの引出しの奥行はイトーキよりも短いわけです。

コイズミの約375mmとイトーキの約430mmを比較した場合、その差は約55mmです(約13%)。
筆箱1個分くらいあります。
結構な収納力の差になります。

ちなみに、フルスライドレールでないイトーキの引出しの場合、真上から見て天板や上の段の引出しに隠れている部分は約100mm程度です。

奥行約55mmの収納スペースを捨ててフルスライドという利便性を取るか?

奥の約100mmはちょっと使いにくいけど収納力が多いほうが良いか?

…という問題になります。

「収納マン」としては後者のほうが良い、と言いたいところですが、話はそんなに単純でもありません。

フルスライドレールは一般的にシングルレールよりも高さがあり、また、フルスライドレールは「3段引きレール」とも呼ばれるように、シングルレールよりも1本多い3本のレールで構成されていますので、構造上、上から力を加えても変形しにくいと言うことができます。
つまり、頑丈というわけです。

まあ、レールは構造だけじゃなく、品質に左右されるところが大きく、その点では2014年度のコイズミのフルスライドレールは、ややスムーズさに欠けるところがあるのですが、「コイズミ vs イトーキ」ではなく、「フルスライド vs 収納力」という観点で言うならば、収納マンとしては、一応、「引き分け」でしょうか。

さて皆様はどのように判断されるでしょう?

ちなみに、イトーキがデスク本体引出しにはフルスライドレールを採用したのは、本体引出しというのは椅子に座った状態で引き出す場合、そんなに奥行があっても引き出せないし、天板奥行に対して短い寸法の引出しであるため、フルスライドレールを採用しても支障がないと判断したものと思われます。
また、袖ワゴンの最下段の引出には一般的にキャスターが付いてますので、目一杯引き出しても重心が手前に傾く心配がないからですね。

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コメント

  1. つくし より:

    こんばんは!
    以前引き出しの奥行きを調べてほしいと言った者です。
    調べてくださったんですね!ありがとうございます。
    そうそう、コイズミよりイトーキのほうが内寸が大きいんですよね。
    ニトリもがんばってますよ(一部を除き奥行き42cmにしてあります)。最安モデルは32cmだったりしますが・・・。
    でもレールが丈夫とは限らないんですね。
    勉強になります。
    イトーキは元事務メーカーだけあって、天UPではないワゴンの中央の引き出しはCDがきっちりおさまる寸法になっていたりするらしいです。

  2. 収納マン より:

    つくしさま
    お久しぶりです^^
    金属レールはどうしても変形するリスクがありますので、木製家具については本来はないのが理想ですよね。そうでなくともグリス(油)切れやホコリの影響で耐用年数は意外と短いものです。
    CDが入る袖ワゴン引出の最初は確かカリモクだったように記憶していますが・・・私の記憶違いかもしれません。「パソコン対応」の学習机が流行った、十数年前ですね。

  3. ゴンゴン より:

    初めまして。
    来春、入学する息子の机を探しており、収納マン様のブログに辿り着きました。
    ブログを拝見し、参考にさせて頂いております。
    ご相談したく、コメントさせて頂きました。
    早速ですが、当方が希望する条件(優先順)です。
    1.収納が多い(大きい&細々した物が収納しやすい)
    2.男子なので、成長後に天板・下の空間を広々と使える
    (子供部屋にて、横幅MAX:1300mmまで)
    3.将来、親が使えるデザイン
    4.予算は10万円前後(店舗にも寄ると思いますが)
    ※昇降デスクは不可
    以前、ご紹介されていた、「デスクランド」と「ナフコ」に行って参りました。
    候補に挙がった物が以下です。
    A:WDスペシャル(コイズミ)
    B:Leamo(イトーキ)フリーワンタイプ 2014年モデル&2013年モデル
    C:型番:0056335 NODS-409NS(ナフコ)※コイズミとコラボ商品
     こちらでご確認下さい。
    http://www.nafco.biz/catalog/dbook/14desk/index.html#page=11
    上記3点を見て感じたことです。
    <A:WDスペシャル>
    *昇降ワゴンである→天板は広くなるが、引出し部分が浅くなる?
    *ユニット棚(上・中段)の両サイドが開いている
    →横から物が落ちないか?ナフコモデルは両サイドの穴加工無し
    *天板の奥行きが8cm広くなる(ネジ固定だったと思います・・・)
    <B:Leamo>
    *細々した物を整理するならば、「お片づけトレー」付きの2014年モデル
    →2013年モデルは「お片づけトレー」無し
    *ターンアップ天板で奥行きが13cm広くなる(パタンと折れ曲がる仕様だったと・・・)
    *2014年モデル:固定ワゴン / 2013年モデル:昇降ワゴン→引出しが浅くなる?
    <C:ナフコ>
    *ユニット棚(上・中段)横の穴加工の有無以外は「WDスペシャル」と同じ?
    →そうであれば、価格的に割高感があるような・・・。
    (デスクランドとナフコの比較ですが・・・)
    <ABC共通点>
    色々と組み替え可能で使い易いかも知れないですが、ユニット(本)棚単体で考えたら、奥行きが浅くて「棚としては使い辛いかも?」と思いました。
    以上を踏まえまして、ご相談です。

    低学年の間はリビングに置き、単独で勉強出来るようになったら、子供部屋(5.7畳)に移動する予定です。
    それならば、荷物が少ない低学年時期からユニット系デスクである必要はないかと思うのですが・・・。
    浜本工芸・カリモクの様に、机・ワゴンをそれぞれ選択して後々、持ち物が増えたら本棚等の収納を買い足す方が良いですか?
    →当方の条件に合うお勧め等があれば、教えて頂けませんでしょうか。

    天板ですが、「奥行き」と「幅」ならば、どちらを優先した方が使い易いですか?

    L字型の配置ですが、ユニット棚の「手前」は取り出し易いと思いますが、「奥」は取り辛い部分が出てくると思うのですが、使い易い配置なのでしょうか?
    アドバイスを頂ければ幸いです。
    以上、宜しくお願い致します。

  4. 収納マン より:

    ゴンゴンさま
    はじめまして^^
    ご質問内容が多いので、早速、順番に・・・
    (1)おっしゃる通りだと思います。その点こそが、私が組み替えデスクに否定的な根幹ですね。ただ、基本的に色や素材が決まっている浜本工芸や、ある程度融通を利かせてくれるカリモクと異なり、コイズミやイトーキなどの場合は数年後に机に合う棚などを入手できる可能性がまったく担保されていません。その点では、机と書棚をセットで買うような組み替えデスクは買う側にとっても売る側にとってもメリットがあると言えるでしょう。
    またゴンゴンさんがそのように考えられるのであれば、コイズミのBEENO(ビーノ)はオススメです。
    (2)奥行、幅とも大事な要素だと思いますし、それぞれのバランス次第だと思いますが、敢えてどちらかと言われれば私は奥行だと思います。
    最近は奥行50cm台の机が多いですが、これではA4サイズの本やノートを手前と奥に載せることはできません。やはり60cmは必要です。一方で幅のほうは、100cmでもA4ノートを広げても左右に2冊載せて余りあります。120cm幅ですと3冊並びますけどね。
    (3)ご指摘の通り、ユニットスタイルやL型カウンタースタイルにした場合、下のコーナー部分は使いにくいです。ただ、勉強道具で使用頻度の高いモノはほんの一部で、逆に使用頻度は低いけれども一応とっておきたいモノというものは多いので、そういうモノを収めればあまり問題ないと思います。
    順番が前後しますが、<A>~<C>について一部補足させていただきます。
    <A>昇降ワゴンにすると、イトーキ・リーモのように2段目が深くならないのはデメリットですよね。ただもちろん昇降ワゴンにも天板を広く使えるというメリットがあるので、この選択は非常に難しいところです。
    上棚の両サイドの「穴」ですが、確かに横から小物が
    落ちやすくなります。ただ一方で、こうすることで見た目の圧迫感がかなり軽減されます。使い勝手を取るか、見た目を取るか、というところですね。
    <B>リーモのフリーワンタイプ・2013年モデルの袖天板は固定式です。2012年度モデルも同様。もし商品に間違いないとすれば、どこぞのオリジナルモデルの可能性が高いと言えます。
    <C>細かい仕様は分からないところがあるのですが、確かに、プロパー(カタログ掲載品)よりもナフコのほうが高いように思います。WDスペシャルは楽天市場でも89,800円からありますし(ただし玄関届け)、プロパーはナラ突板、ナフコはタモ突板ですからね。木目の好みはあると思いますが、コスト的にはちょっと見劣りします。引出内部材の仕様が異なる可能性もあるのですが・・・私が先日ナフコに行った際はまだ展示がなかったので分かりません。
    <A~C共通>「書棚」としては適切な奥行だと思います。書道セットやランドセルを奥には別にオープンラックなどが必要だとお考えください。