「メタルラック」というのはアイリスオーヤマの登録商標で、こういう形状をした商品の通称は「スチールワイヤーシェルフ」と呼ぶのが正しいと言えます(御三家メーカーに確認済み)。にもかかわらず、「メタルラック」が通称と思われているほど、ブランド名が認知されているというのが現状です。絆創膏→バンドエイド、ステープラー→ホッチキス、密閉容器→タッパーウェア、宅配便→宅急便…のようなものですね。
それはさておき、アイリスオーヤマのメタルラックの互換性についてお伝えする前に、大事なことを説明しておかなくてはなりません。これはメタルラックに限らず、将来的にどこのメーカー、どんな商品でも起こり得ることですが、メーカー品だからと言って互換性が保証されているわけではないということです。
メタルラックの場合、私の記憶が正しければ、今から7~8年くらい前に(2004~2005年頃?)、棚板サイズを5センチ刻みにバリエーションを増やした際に、それまでの棚板サイズに一部廃番が生じました。つまり、その当時(またはそれ以前)に購入したメタルラックをお持ちの場合、現在のオプションの棚板などはサイズが合わない可能性があります。
これはメーカーを責めるわけにもいかないことですが、メーカー品だからといっても将来の拡張性が保証されているわけではない、ということは、一応、頭の隅に入れておいてもらったらと思います。ちなみに、定番アイテムの印象が強い、無印良品のPP衣装ケースも何度か仕様変更しています。
そんなわけで、何年も前のことは「時効」として、当面の互換性について語りたいと思います。アイリスオーヤマには「メタルラック」のブランド名を冠していない、スチールワイヤーシェルフも存在することはご存知でしょうか?
たとえばこちらの「メタルシェルフSE-918」。商品名はメタルシェルフとなっていますが、アイリスオーヤマと表示されています。
こちらのAmazonでの販売はアヤハディオとなってます(本日現在)。アヤハディオは滋賀県を中心とするホームセンターですね。
アイリスオーヤマは取引条件が結構厳しくて、実質的に実店舗があり、実績のある、主にホームセンターや量販店としか取引せず、ネットでもそういうところしか扱えないんですけど、基本的にパッケージにはアイリスオーヤマとは書いていません。おそらく、「メタルラック」のブランドを毀損しないためと考えられます。ホームセンターなどの要請(値頃な商品の提供)や競合他社とのシェア争いに勝つために敢えてブランド名を外して販売しているんだと推定されます。
ではでは、アイリスオーヤマのメタルシェルフについて、これは単に値段が安くてお得な商品かと言うと、もちろんそうではありません。基本的にアイリスオーヤマのメタルラックと互換性がありますが、値段相当の違いがあります。
まず、棚板耐荷重ですが、910×460サイズの場合、メタルラック は棚板1枚当たり約250kg、メタルシェルフ は同じく約100kgまで、となっています。リンク先の写真をよーく見比べてもらえば分かるのですが、棚板のワイヤーの本数が倍ほど違うんですよ。耐荷重性能が倍以上だから値段も倍で当然…ということですかね。
あと、パッケージもそうですが、商品自体にもアイリスオーヤマまたはメタルラックのブランド名はメタルシェルフには一切入っていません。さらに、当然のことながら、メタルシェルフのほうはサイズバリエーションがほとんどありません。いわゆる定番サイズのみです。
逆に、メタルシェルフはキャスター付きになっています。キャスター付きのほうが便利だから、メタルラックのほうもキャスター付きにしたら良いのに…と思われる方も多いと思いますが、キャスター付きだといろんな事故の可能性があるんで、ブランド名を付けて販売することを躊躇しているのでしょう。
以上、ちょっと話があちこちにいってしまいましたが、メタルラックと、廉価版のメタルシェルフには基本的に互換性があります。それほど耐荷重性能は必要ない、もしくはできるだけコストを抑えたい、けれども組み合わせを変えたい、将来の拡張性に期待したいという方などには廉価版のメタルシェルフを軸に検討してもらい、とにかく安心感を重要視したい方、サイズやディテールにこだわりたい方の場合は、メタルラックのほうを選んでもらったら良いんじゃないでしょうか(もちろんオススメはメタルラックのほうです)。
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