もし今年、収納マンが学習机を買うんだったら、カリモク家具の「ピュアナチュール」にしたかな、と思っています。
言うならば、ベスト・オブ・学習机2012。
その授賞理由を挙げていきましょう。
ピュアナチュールがベストな理由
評価ポイント1.木のぬくもりが伝わる
いきなりインテリア的なポイントで恐縮ですが、これは大きいと思います。
今まではスチールデスクメーカーも家具メーカーに負けじと木質系を主流に据えて、現在では木質系でない学習机がほぼなくなったほどですが、ピュアナチュールはさすがカリモクが今年度のカタログの一発目で提案しただけあって、木の良さ、ぬくもりを上手に伝えきった感があります。
このへんはさすが日本最大の家庭用総合家具メーカー。
技術面、販売面の強さをいかんなく発揮し、他社の1枚も2枚も上を行った感じです。
木の良さが伝わるということで、またホルムアルデヒドをまったく含まないということで、一時はかなり注目の集まったオイル仕上げ(自然塗料アウロなど)ですが、これはメンテナンスが面倒な上に、汚れが非常に付きやすいという、学習机としては致命的な機能的欠陥がありました。
それに対して、ピュアナチュールは木の風合いを失わない、ギリギリの範囲のポリウレタン塗装。
これは本当に、上手だったなぁと思います。
評価ポイント2.収納力があり機能的かつ合理的なワゴン
既に「ボナシェルタ」の袖ワゴンでも採用されていた構造ですが、天板を取り外せばデスクの内側に収めることができ、天板を取り付ければデスクサイドを延長できるこの仕組みはなかなか合理的で良いと思います。
2段目にはCDやDVDが収納できるサイズ、3段目にはA4ファイルが縦にも横にも収められるサイズで収納力があり、その点は浜本工芸の「No.85移動袖B」にも似たところがありますが(浜本工芸のNo.85移動袖BにはたぶんA4ファイルは縦入れできません)、リフティングではなく天板の取り外しで対応するところが特徴的です。
もう10年以上前から普及し、一般化しているリフティング機構ですが、ハッキリ言って中途半端な高さに設定して使う必要はありませんから、天板の取り付け、取り外しで対応するという方法で十分だと思います。
昔と違って最近はリフティング機構が壊れたという話はあまり聞かないものの、ギミックは少ないほうが壊れる可能性が低いですしね。
評価ポイント3.デザインと座りやすいKライン脚
木の素材感と言い、全体のデザインと言い、このデスクは素晴らしいと思います。
(人によって好みが異なるところだとは思いますが)
また、そのデザインをうまく活かしたと言うか、逆に機能性を保ちながらデザインとうまく融合させたと言うか、このKライン脚がなかなか良いんじゃないかと思います。
収納マンは基本的に天板昇降式デスクに対しては否定的で、いわゆるベーシックデスクが良いと思っているんですが、ベーシックデスクでもこのデスクが採用しているKライン脚のようにデスクの横から足を入れやすい構造であることが必須だと思っています。
新入学児は基本、自分で椅子を引けないからです。
(座ったままで椅子の位置を変えられない。)
また、足元棚もスッキリとしていて、使い勝手も悪くなさそう。
おそらく、天板の反り止めの効果もあるんだろうと思います。
シンプルな感じがまた良いですね。
評価ポイント4.パネルもgood
合わせて、足元棚と同様の理由でブックスタンド(パネル)もよろしい。
どうせ子供が大きくなれば外しちゃうことが多いものですから、これくらいで十分なんじゃないでしょうか。
必要最小限かつ、シンプルで見た目が良いですね。
だいたいこんなところが収納マンがピュアナチュールを評価するところですが、とは言え手放しに評価できない部分もあります。
一応、そこんところも書き留めておきたいと思います。
ここがちょっと1.コンセントの位置
6口コンセントが足元棚の下に付いているんですが、これはデザインを損なわないように配慮したり、ブックスタンド(パネル)の位置を左右どちらにでも取り付けられるようにした結果とは言え、ちょっと使いにくい位置かなぁと思います。
大手学習家具メーカーのように、いくつか取り付け位置の選択ができる構造の採用が望ましいところです。
ここがちょっと2.ラックの存在
「ラック(SU0305)」…この扱いがちょっと難しいところです。
デスク本体の横に袖ワゴンを並べ、さらにデスク本体と袖ワゴンを面一(つらいち)にしようと思うとどうしてもこのラックが必要になってしまうんですが(ワゴン奥側にラックを設置)、これを置いたところで一般的にスペースの限られる子供部屋で、横から本などが出し入れできるシチュエーションは容易に想像できません。
まあ、その時に必要になってから購入するとして、カリモクのことですからその時でも手に入れることはできると思いますが、最初から買っても置く場所に困ります。
そもそもで言えば、袖ワゴンの奥行が短いのが問題で、これはピュアナチュールに限らず、足元収納棚がある学習机共通の問題ですが、ボナシェルタのワゴンのようにワゴンの天板が奥に出っ張った形状が望ましいと思います。
足元棚のバックパネルがあるので100%の奥行を確保する天板は難しいと思いますが、この価格ですから、ちょっと検討してもらったほうが良いんじゃないかと思います。
ここがちょっと3.引出しと足元棚
褒めた部分と若干矛盾があることになってしまうんですが、そもそも袖ワゴンにCDやDVDを入れる必要があるのか、という部分はちょっと疑問が残ります。
同じく、A4ファイルを縦入れする必要性はないんじゃないかと思います。
この寸法はおそらく、デスク天板下の大引出のないデザインを優先し、それに合うような寸法で袖ワゴンを設計したからだと思いますが、一般的なベーシックデスクに比べて引出が1段少ないのもやや疑問あり。
まあ、引き出しユニットを付ければ計4杯…十分だとは思いますが、個人的には引き出しユニットじゃなくて、本体には引出2杯付けて欲しかった。
まあしかし、そうしてしまうと今度は袖ワゴンの天板取り付け・外しで、デスク横に並べてフラットにするという芸当はできないわけですが。
あと、引き出しユニットとの絡みで、これを付けるとどうも足元棚が使いにくそう。
足元棚はもうちょっと高さを確保しても良かったんじゃないかな?
これもデザイン主体で機能性をないがしろにした感じがありますね。
まあだいたいそんな感じですが、こちらのブログにコメントくださる方々のご意見をうかがっても、ピュアナチュールはなかなか評判がよろしそうです。
基本的にはデザイン的には女子受けを狙ったんだと思いますが、男子の親御さんからの評価も高かったようで、椅子は「XT0901」のピュアオーク色の追加が決まったようです。
(シュンママさんの情報 @カリモク・ショールーム)
ピュアナチュールは今年度の新商品なので、来年度はさらなる進化が期待できるところです。
コメント
収納マン様
いつも参考にさせていただいてます。先日他の記事でコメントさせていただいた迷い人です。
もし今年、収納マン様が学習机を買うんだったら、カリモクのピュアナチュールという事ですが、椅子はどうしますか?やはりバランスチェアですか?
私は悩みぬいた挙句、浜本工芸のNo.13デスクに引出3段タイプのNo.85移動袖Aの組み合わせを注文しました。
基本的にベネッセ&カリモクの学びデスクのコンセプトに共感を持っていましたのでこちらにしました。
まともな学習机の選び方のサイトや雑誌記事がなかったので、こちらの記事は大変参考になりました!
またプロのアドバイスもいただき納得して決めることができました。
ありがとうございました。
迷い人さま
>私は悩みぬいた挙句、浜本工芸のNo.13デスクに引出3段タイプの
>No.85移動袖Aの組み合わせを注文しました。
いいですねぇ~^^
やっぱり最高級は浜本工芸ですよね♪
品質は素晴らしいのに値段は手頃・・・というか、学びデスクが高過ぎ(+_+)
私も娘と息子のを同時購入&2台並べてじゃなかったら、この組み合わせを選んでいたかもです^^;
>もし今年、収納マン様が学習机を買うんだったら、
>カリモクのピュアナチュールという事ですが、椅子はどうしますか?>やはりバランスチェアですか?
難しい質問ですね(~_~;)
ピュアナチュールはデザインに惚れたところが大きいので、
バランスチェアの無機質なデザインの組合せはあり得ないでしょうね(>_<)
デザインで言えばそりゃあXT0611でしょうけど、
実用性で言えばXT0901のピュアオーク色でしょうか・・・。
でもXT0901はあまりにもデザインが直線的過ぎるので、
XT1801のハート型のくり抜きを無しでセミオーダーをお願いするか・・・。
とにもかくにも迷い人さんの学習机選びも一段落ですね。お疲れ様でした\(^0^)/
私としては情報面でお役に立てることはもちろん、
迷い人さんのように子供のために真剣に学習机を選ぶ親御さんの姿、
そしてそんな親御さんのもとで育つお子さんの幸せな姿を
感じられるのが何よりの喜びです^^
そんなわけで、こちらこそありがとうございました^^