キズが心配・・・学習机の材質はどんなものがオススメ?

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オークの木目

この記事は2012年12月10日時点の情報に基づいています(2024年1月23日一部更新)

学習机を色々と見比べてみると、やはり良い素材を使ったものは高いことが分かってくるはずです。

最初は、「どうせ子供が使うんだし、すぐにキズが付くんだから…。」などと思っていても、やっぱりMDF合板にダイレクト印刷をしたものは安っぽいし、機能的にもデザイン的にもイマイチだし、じゃあせっかく買うんだしということで色々と見比べると、気が付けば予算オーバー…ということがよくあるようですね。学習机に限らず、家電でもパソコンでもそうですが。

機能やデザインについても言及すると話が難しくなるので、ここでは素材だけに的を絞ってお話していきたいと思います。

 

学習机の材質は何でも良い

いきなりですが、結論を先に言うと、私は材質は何でも良いと思っています。

そりゃあ、例えばナラ無垢(集成材)は木目が美しいし、丸みを帯びたデザインは無垢板でないと表現できないし、木の温かみという点では無垢板には敵わないし、何より一般的な学習机の中では、他の木材と比べて、一番硬いですからキズもつきにくいです。

しかし、デスクマットを敷いちゃえば、天板の広い面に関して言えばキズの心配はほとんどないし、逆に、たとえキズがついてもデスクマットを敷けばフラットな面をキープできます(ただし、天板の面よりも手前の縁にキズがつくことのほうが圧倒的に多く、そこはデスクマットではカバーできません)。

また、無垢板(集成材)は継ぎ目の部分でわずかに波打ったり、割れが生じたりすることもあります。鉄やプラスチックじゃないですから、生きているからこそ、そういうことが起こる場合もあるのです。

もっとも、家具メーカーの場合は木のことを本当によく知っていて、木材を非常に丁寧に扱いますから、いわゆるオフィス家具メーカー系とは違って、割れや反り、波打ちが起こりにくいのは事実です。また、やはり値段の良いものほど上質の木材を使用しており、基本的にクサレ(薄黒い部分)の入ったようなものは使いません。木目の並び方も吟味して、継ぎ目が分からないくらいだったりします。

本体引出も木目が揃っている(浜本工芸のデスク)

↑ ほら、天板下の大引出しの木目が左右で揃ってるでしょ?(浜本工芸)

つまり、中途半端なものに手を出すくらいなら、突板(木を薄くスライスして貼ったもの)にしておいたほうが無難です。もちろん、突板だってフラッシュ合板に貼った場合は、中空部分と芯のある部分との間でうっすらと段差が生じる場合があります。木というのは切った後も膨張・収縮しますから、本当に難しいんです。

天然木なら木工家具メーカー

まあそんなわけで、ちょっと乱暴な言い方をすれば、無垢板の学習机を購入したいと考えるならば、浜本工芸かカリモクか飛騨産業の中から選ぶほうが無難です。いずれもだいたい椅子やデスクライトを除いても基本的には10万円以上はするシロモノですが。

もっとも、それ以下の価格帯のメーカーのものを否定するわけじゃないですよ。上記3メーカーがもっとも木の扱い方を熟知していて、本当に木を上手に丁寧に扱っていて、ハズレを引く可能性が低いというだけのことです。

前述の通り、素材はどれを選んでも基本的には一緒。どんなに浜本工芸の学習机がUV塗装されていて硬くても彫刻刀でガリッとやればキズは付きますから。物理的には塗り直しも可能ですが、相当修理代は高くつきますし、色を完全に合わせるのは難しいですからね。

無垢板(集成材)の良さ

まあそうは言っても、天板の広い面はともかく、角の部分では無垢と突板ではやはり差が出ます。特に天板の手前側などの角はどうしてもキズが付きやすいですし、無垢よりも突板のほうがキズは目立つことが多いと思います。そもそも丸みを帯びたデザインはある意味で無垢の特権ですし、丸みがあることでキズが付きにくくなるとも言えますからね。

あれれ…これじゃあ話が振り出しに戻っちゃいますね(苦笑)ですがまあ、値段が高いもの、材料の良いものは、やっぱり良いんです。それはまあ、当たり前と言えば当たり前の話なんですね。

材質よりも大切なのはカタチ

でも、材質がどうとかよりもやっぱり大事なのは一言で言えば「形」なんです。上棚のあるなし(ハイかローかなど含む)。引出しの数や構造、大きさ。袖の形状(固定かキャスター付きか、天板昇降式か否か)。脚の形状。サイズ。デザイン。その他の機能、拡張性、安心感、保証期間などなど…。

こういった要素は、多くが直接的には値段と関係ありません。ですから、予算に余裕がある方、少しでもハイスペックなほうが良い方は、材料の良いものをチョイスしていただいて、できるだけ予算を抑えたい方は、材質よりも、まずどういう形が良いかというところから入っていただければと思います。

最上級はナラやオーク

最後に、一応念のため、記事のタイトルに従った答えを書いておきますと、一番良いのはやはり、木目が美しく、硬い、ナラ無垢。突板ももちろん悪くないです。オークもほぼ同等です。

あとは木目が美しくハッキリしているところで言うと、次に来るのは家具用材としても一般的なタモ。木目があまりハッキリしていないほうが良い方の場合はアルダーやブナ(ビーチ)、シラカバ(バーチ)。ナラやタモに比べると軟らかいですが。

ラバーウッド(ゴムの木)は最近は学習机ではあまり使われませんが、木目はないもののあまり美しくはありません。MDF合板は天然木ではないものの、硬さは十分です。

以上はすべて広葉樹ですね。ヒノキ、スギ、マツ(パイン)などは軟らかいので、一般的にはあまりオススメできません(特殊な加工を施しているものは除く)。これら針葉樹は除いて「何でも良い」と言っているのに過ぎませんので、その点は誤解のないようにお願いします。

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コメント

  1. disk_n より:

    天板の材質について質問があり、こちらの記事にコメントさせていただきます。
    突板の芯材には、MDF、パーティクルボード、天然木(大抵ラバーウッド)などがあるようですが、硬度の点で差はあるでしょうか?
    素人考えですが、パーティクルボードでは密度が粗く、例えばボールペンを強く突き立てれば、穴が空きかねないのではと思えます。
    またラバーウッドでは、少し柔らかい気がします。
    どのように考えればよいか、アドバイスいただければ助かります。
    余談ですが、MDFにメラミン樹脂の学習机があっても良さそうに思いますが、見当たりませんね。

  2. 収納マン より:

    disk_nさま
    んー。難しい質問ですね^^;
    厳密に言えば硬度に差は出るんでしょうが、それよりも突板の厚さやその素材のほうが影響を及ぼす可能性のほうが高いのではないでしょうか?
    あとは塗装の影響も大きいと思います。
    また学習机に関しては芯材はMDFが主流で、ダイニングテーブルなどではフラッシュやハニカムも多いですが、パーティクルボードやラバーウッドの芯材というのは私はあまり見たことがないので何とも言えないところがあります。
    メラミン樹脂塗装の学習机・・・以前は綾野製作所などが扱っていましたね。
    メラミンは丈夫といえば丈夫ですが、けっこう欠けるんですよね。
    ただ、欠けるからといってメーカーが扱わなくなったというより、そういうカラーものの学習机にあまり人気が集まらないということが、現在では見かけなくなっている主な原因だと思います。

  3. disk_n より:

    微妙な質問に丁寧なご回答をいただいて、ありがとうございます。
    参考にさせていただきます。
    表面の硬度という点では、芯材の材質はあまり考慮しなくてもよさそうですね。
    ただ、突き板は厚くても1mmに満たないものと聞きましたので、芯材の材質によっては、一点に力が加われば突き板自体に穴が空くのでは、と思った次第です。
    大人が使うなら、そんな心配はいらないのですが…
    カタログには、突き板天板の芯材の材質までは記載されていないことが多いようです。
    芯材はMDFだろうと思いつつ、念のために問い合わせてみると実は… ということがありましたもので。もう少し調べてみようと思います。
    ありがとうございました。

  4. 収納マン より:

    disk_nさま
    突き板は厚くても1mmに満たないもの・・・1mmを超えることももちろんありますが、高級品を除いては確かにその通りですね。
    学習机に関してカリモクあたりが実際のところ何ミリ程度なのかは分かりませんが。
    ただ、突板は一般的に芯材にダイレクトに貼るものではなく、合板に貼って化粧合板として使用します。ですからもし突き破るようなことがあるとすれば、塗膜→突板→ラワンなどの合板→芯材の順です。
    またちなみに、ヒノキやパインなどの針葉樹の無垢天板は爪の先でもキズが付きますが、突板はどんな素材のものでも(針葉樹の突板はまず見かけませんが)爪の先程度でキズが付くことはありません。
    最近の主流でいうと、無垢の場合はナラやオーク、タモはだいたいOK、ブナはやや微妙ですがOK、アルダーはアウト。
    MDFダイレクト印刷とかは結構丈夫ですが。やはり、自然のものは人工的なものには勝てませんね。

  5. disk_n より:

    ちょっと勘違い&神経質になり過ぎて、失礼しました。
    訂正させていただきます。
    突き板を張った化粧合板の厚さは、数ミリ(ある製品はおよそ2.5mmくらいでした)はあるようで、丈夫な合板ですから、そうそう穴が空いたりはしなさそうですね。
    また、天然木にこだわらなければ、実用上はMDFダイレクト印刷で十分ということですね。
    (個人的には、天然木「風」なプリントばかりでなくてもいいのに、とは思いますけれど)
    おかげさまで、目下の疑問は解消されました。
    大変、ありがとうございました。

  6. 収納マン より:

    disk_nさま
    いえいえ・・・私もご質問いただいたのを機に確認したりして勉強になりましたから・・・こちらこそありがとうございます^^
    確かに、MDFダイレクト印刷のほうがむしろ丈夫だったり・・・これは高度経済成長期に普及したデコラ貼りと同じことですね。
    高価な漆の茶碗より、メラミンの茶碗のほうが丈夫で合理的・・・みたいなものですね(笑)
    木目以外の印刷があっても良いのかもしれませんが、無地なら塗装のほうが安定しますし、他の柄、たとえばハート柄とか、そういうのが出てくるのはまだちょっと先の時代のことかもしれませんね^^;