婚礼箪笥は必要か?(2)

前回は婚礼箪笥を既に持っていて、
その処遇に苦慮している方向けに書いたのですが、
だからと言って私はアンチ・婚礼箪笥ではありません。
高いからとか、コストパフォーマンス(費用対効果)が悪いとか
(先日、母に「コストパフォーマンスって何?」と聞かれました)、
そういう理由で婚礼箪笥を持たないように推奨しているわけではないのです。
ひとこと、「デカイ」から困るのです。
だいたい、「婚礼箪笥」の定義がややこしいんですが、
嫁入り道具として持っていく箪笥、ということで間違いないでしょう。
そうすると3万円の箪笥でも300万円の箪笥でも
嫁入りのときに持ってきた箪笥ならそれは婚礼箪笥です。
話をややこしくしてしまって申し訳ないのですが、
前回は一般的にイメージされる「婚礼箪笥」の話をしました。
だいたい、数十万円から数百万円クラスの、高級なものです。
しかし本来の意味で言えば、
婚礼箪笥が高級であるか否かはその要件ではないわけですね。
あくまで私の印象に過ぎないのですが、
女性は一般的に、理屈よりも感情で判断することが多いように思います。
だから実は、それが高かったとか安かったとか、
そういうのはあまり大事なことではないように思うのです。
それよりも、誰からもらったとか、
洋服で言うと、「あの頃は青春だったな~。」とか、
そういう「想い」が判断基準に影響を及ぼすことが多いように思うのです。
実際、私が家具メーカーの営業マンだった頃に、
家具店の店頭で応援販売をしていて意外に多かったのが、
「高級家具だから処分できない」ということよりも、
「安物で見た目も使い勝手も悪いのに、嫁入り道具だから処分できない」
という話でした。
実は、私の妻もそうなんです。
かなり以前に書いた記事(収納市場「商品レビュー・ウォールハンガー」
に掲載した写真の隅に写っているタンスですが、
これ、妻が実家から持ってきたものなんですね。
妻が実家から持ってきた整理箪笥
価格はたぶん3~4万円くらい、
全部が合板でできていて、引出にはレールもなし。
新居に運ぶとき、
「え?こんなの、やめようよ。新しいのを買おうよ。」と言ったのですが、
妻は頑なに私の提案を拒んで結局運び入れました。
結婚して9年になりますが、3回ほど引出の前板が外れて、
その度に私がエアタッカーと木工用ボンドで修理しました。
嫁入りのときに買ったわけじゃなくて
学生の頃に両親から買ってもらったものだそうですが、
もらったものだから捨てられないそうなんですね。
しかし3回も修理していると、私も愛着がわいてしまいました(笑)
私が修理したところは壊れないので、
たぶん残りの引出を修理したらかなり完全なものになるでしょう
おそらく、次に引っ越しても持っていくんじゃないかと思います。
モノを持つ基準、処分する基準は人それぞれですので、
もちろん皆がこういった「想い」で家具が処分できなくなるわけではありませんが、
あらかじめ、こういうことがあることも予想してもらったほうが良いと思います。
人の考え方や生活ぶり、時代の変化は予測するのが難しいのですが、
こういうこともあるので、家具を見るときは予算ありきではなく、
必ずピンからキリまで見て欲しいと思うのです。
なんせ、見るのはタダですからね(笑)
私が思うに、家具屋さんはもっとも身近な美術館です。
別に構造がどうだとか、ここがこうなっているから良いものだとか、
そんなうんちくは聞かずとも、値段とコストの関係が分からなくても、
見て触ってみれば、良いものは良いと分かってもらえるはずです。
「でも、予算オーバーだと買えないし、
 変に良いものを見たら目の毒だし、時間の無駄じゃない?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
美術館に行ってそこに展示されている作品を
自分が買えるかどうかなんて思う人はいないと思うんです。
私は良い家具を知っていますが、
だからと言って家の中に良い家具ばかりがあるわけではありません。
せいぜい、身の丈よりもちょっと背伸びするくらいです。
家具っていうのは、家全体からするとパズルのワンピースみたいなもの。
大き過ぎても小さ過ぎてもダメ、形や色が合わなくてもダメ、
そればっかりにお金を掛けてもダメだし、
見た目が良くても使いにくくてはそれも良くないのです。
だからどんなものがあるのか、色々と見て回って、
ひとつひとつ着実に選んでもらいたいな、と思うのです。

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コメント

  1. ゆみ より:

    収納マンさま
    わかります、わかります。
    実家の物置には、母の嫁入り道具の靴箱と私が使っていた日焼けしてプリント合板がはげはげになったくる○るメカが鎮座してます(笑)
    家具選びって本当に難しいですよね。
    引越し先のテイストと合わなくなったり、自分の好みも変化しますからね。
    うちのインテリアは新旧入り乱れ、カオスな感じになっています_| ̄|○

  2. 収納マン より:

    ゆみさま
    ウチの実家もそうですが、どこのお宅もだいたいそんな感じじゃないでしょうか?^^;
    唯一そういう印象を与えない部屋といったら応接間とか、仏間とか、基本的に余計な家具を置いていない部屋だけだったり。
    いくら家具を買い替えても壁が木目調だったりワインレッドだったりすると何を置いても合わなかったりしますし・・・。
    古い家に新しい家具を置くって、チョンマゲ結って洋服着るようなものなのかもしれませんね。バランスを取り、バランスが取れなくなったらリフォームして家具を買い替える・・・。
    難しいし、なかなかお金も労力も必要な話ですね^^;